◎東京都写真美術館~恵比寿

18:11
展覧会を観て街へ出ると、
生と死に満ちている。
b0122664_12273366.jpg

遠くから楽団の音楽が聞こえる。
その方向へ目を向けるが、
唯、広場が拡がっているだけだ。

b0122664_123152.jpg
せわしなく、
人人があたしを
追い抜いていく。
みんなどこへ行くのだろう。

あたしは
人人が溢れるプラットホームで
思いだす。
そうだった。
あたしも仕事の帰りだ。



◎品川

18:48
駅前。
b0122664_118215.jpg

京浜ホテルが閉鎖されたままになっている。

b0122664_11511382.jpgb0122664_11573647.jpg


ウインドウにはかたずけられないままの、
テーブル、イス、炊飯器、巻尺、プレート、布、看板、傘……
透明な人人が、今まさに片づけようとしているかのように、
想いが、廃墟になることを拒絶している。

空を見上げると、小さな、白い月が浮かんでいた。

◎原美術館~大崎

19:42
夜の庭園を歩いて以来、
夜に取りつかれてしまった。
美術館の前庭も夜に艶めいている。b0122664_1325977.jpg

b0122664_1333719.jpg


いつもは迷わない大崎への道を、
どこかで間違えてしまったらしい。

b0122664_1412334.jpg

川がみたい。
黒く輝くあの川。
b0122664_1371287.jpg


◎スターバックス・コーヒー

20:50
サンドイッチを食べながら、
『メモワール 1983』 を読む。
b0122664_11425517.jpgb0122664_11463718.jpg
by riz-blank | 2010-06-25 01:44

雨の日、絵画館へ行った

イヅミと会ったのは雨に沈む初夏の月曜日。
霧雨というには強く、細かな雨滴がカラダに吸いつくように降っていた。
あたしたちはそんな雨を避けて、絵画館へと通じる、イチョウ並木沿いのカフェに入った。
店内はとても空いていて、あたしたちは窓際の席で、遅いランチを食べた。
ガラス越しに屋根つきのテラス席で食事をするビジネスマンたちの姿が見える。
「ねぇ、ほら、ほら!」
雨宿りにやってきたスズメを、イヅミはうれしそうに指さしている。
「都会のスズメが減っているんだって……。」
b0122664_21431983.jpg

スズメたちはフライドポテトを啄んで飛んで行く。
イヅミはイキモノが好きだったっけ?
子どものように喜んでいるイヅミは、じっとスズメの出入りを見つめている。
「ほら、また!」
どうやらスズメたちはテラス席の常連らしい。
おしゃべりをしていて時計をみると、すでに16時を回っている。
あたしたちはあわてて店を出た。
イチョウ並木は薄暗く、太陽も時間も失ってしまったかのようだ。
b0122664_21462734.jpg

まとわりつく雨の中、あたしたちは絵画館へと向かった。

b0122664_21495930.jpg


b0122664_21565878.jpg
絵画館はすでに閉館していた。
「ニホンじゃないみたいだね」
あたしは建物を見上げる。
イヅミは絵画館の石の階段をどんどん登っていく。
青い傘が遠ざかっていく。
屋根の下、
傘を捨てて
イヅミはくるくると回っている。

あぁ、雨でよかった、とあたしは思った。
by riz-blank | 2010-06-24 22:17

庭園の住人たち

庭園のあちこちに、あなたたちは住んでいる。

b0122664_9271967.jpg

あなたたちはたぶん、少しだけ植物で、少しだけニンゲン、後のほとんどが無機物だ。
真っ白な肌は艶やかで、表情は恍惚としている。
あるときは草陰に埋もれるように立ち、
あるときは雪混じりの風のなか、葉の落ちた木々とともにいる。
夕暮れはその肌の白さゆえに、
あたしを呼び寄せるかのように、たたずまいを浮きあがらせる。

b0122664_9335464.jpg


あたしは庭園の門をくぐると、バラのむせる香りのなか、一目散にあなたたちを探した。
「おいで、おいで、」あちこちから声がする。
今日はなんていい日なのだろう。

b0122664_9573488.jpg


b0122664_942114.jpg

  池には小さな睡蓮が
  列島のように浮いている。
  水しぶきが宝石のように輝き
  日に反射している。
by riz-blank | 2010-06-14 10:22

ここにいるよ

b0122664_7572969.jpg

b0122664_7575377.jpg

庭園ぜんたいから聞こえてくるよ、蛙たちの声。
夜に張り巡らされた糸は、
グェグェ(ここ、ここ、)…グァグァ(ここ、ここ、)…
と震えるので、
ほら、君をみつけられた。
by riz-blank | 2010-06-08 08:18

薄く、薄くなった皮フの切れ目に
その庭園はあらわれた…
b0122664_1423548.jpg


5月29日土曜日、あたしは人混みをさけて、夜のバラ園へと入っていった。
門をくぐると、闇全体から甘美な香りが滲んでくる。
庭園全体にキャンドルが灯り、闇はうっすらと色づいている。
正面のガゼボと、丘の上の塔が発光している。
真っ白な服を着た3才くらいの女の子が、ガゼボの中央から、天使のようにくるくるまわりながら駆け降りてきた。
あたしは濃くなり薄くなり皮フにまとわりつく闇をすすんでいく。
b0122664_1501759.jpg

b0122664_1473280.jpg

そしてあたしは理解した。ああ、闇は、全体で均一な質としてあるのではなく、光を含んだ、まるく、やわらかな粒子の集合体だったのだ。
b0122664_1545864.jpg

by riz-blank | 2010-06-01 01:57

日常のキラキラした場所。芦田みゆきの写真&詩のブログへようこそ!
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30