リズの移動遊園地

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ふたつの空

「きみ、ここはこんなに楽しいよ!」
荒川さんは遊園地の中空で
両手をおおきく広げた。


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5月19日午前0時35分(NY)荒川修作さんが亡くなった。
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by riz-blank | 2010-05-28 00:48 | 日々…

お化けたちのカーニバル 

ねぇねぇ、ルビー? とつぶやくと、ストンと空中からあたしの両てのひらへ、ハリネズミのルビーが落ちてきた。あれれ? お星さまは遠くじゃなかったの? どうやら星はあたしの目の高さより、ほんの少しだけ上にあるらしい。お腹をみせて、細い舌で口の周りをペロペロっとやる時は、ごはんちょうだい!という合図だ。ねぇねぇ、じゃあごはんに……と、もう一度てのひらをみると、ルビーはもういない。

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幽霊っているんだろうか?
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久しぶりに浅草の花やしきに行った。
昔からあった「お化け屋敷」がなくなっていた。中にいたお化けや幽霊たちは、どこへ行ってしまったんだろう?向かい側の、車に乗って回る方の西洋風お化け屋敷に入った。インチキな人形たちに交じって、暗がりや、光の中心で、お化けや幽霊たちがクスクス笑っている。
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花やしきは夜が本番。
小さな敷地に鏤められた、偽物の宝石のきらめき。
お化けたちのカーニバル。
たくさんの風船を握りしめた少女は、
星への行き方を知っている。
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by riz-blank | 2010-05-19 23:51

午後5時43分

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ツバメが泣いている
ツバメが泣いているのだ
午後5時43分
あたしの耳のなかで

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by riz-blank | 2010-05-17 19:20 | 詩+写真

川村記念美術館へ行った。

4月24日、詩人のNさんと『ジョゼフ・コーネル×高橋睦郎 箱宇宙を讃えて』を観に川村記念美術館へ行った。とても晴れた日だった。西洋式の庭園は絵葉書みたいに明るく平たく広がり、水辺では水鳥が2羽、仲良く羽を寄せてニンゲンに餌をせがんでいる。「ガチョウだよ」Nさんは教えてくれる。「ほんとう?大きいね!人に馴れているね。」「展覧会を観たら庭を廻ってみよう」
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あたしたちは常設展をゆっくりと廻った。Nさんはレンブラントの「広つば帽を被った男」の前で立ち止まる。あたしは「色紙貼付桜山吹図屏風」(光悦×宗達)を感嘆をもって眺める。(ことばと絵画の共存がこんなにも自然だなんて!)
コーネルの作品は、星空一杯の闇の中に、惑星のように配されていた。作品を囲む小部屋のガラスの壁面は、向こう側の星や作品を透かして見せながら、同時に自分自身や、今ここに輝くコーネル作品と、本のように展示された高橋睦郎さんの詩を映しだす。「私、コーネルのコラージュが好きでこの絵葉書をもっているの」「これももっている!」Nさんはうれしそうに、コーネルの宇宙を彗星のように駆けて行く。

その後、光をひっくり返したような庭園を、あたしたちはおしゃ
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あたしの記憶はハレーションを起こす。あんなに明るかった庭園は、しっとりとした木陰で、薄暗い。立っているのは一人の少女だ。少女は黙っている。少女のまわりの薄墨色の闇は、やわらかく、しかし内側にとても広い。樹木の木漏れ日は光が強すぎるので、向こう側の風景は白くかき消されてしまっている。少女が目を瞑ると、その内側に広がるのは、さっき通ってきたマーク・ロスコの「シーグラム壁画」のような、抽象的で、低い温度で発光する世界だ。目を開けた
少女の唇から、音のないことばがこぼれ落ちる。
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レストランに着いた時には、14時を回っていた。あたしたちは、おいしいパスタのランチを食べながら、たっぷりおしゃべりを続けた。

by riz-blank | 2010-05-09 02:58